母が日に日に体が硬くなって、自分で歩こうとも立とうとも、服を着ようとも脱ごうともしなくなり、私の「ちゃんと立ちなさい!」「足を前へ出して歩くの!」「はいっ!手を袖に入れて」「足を上げなきゃズボンはけないでしょ!」という叱咤激励も馬耳東風。要するに、私は無言の
で、アワテンボの母が20年前から、『私が病気になったら、この風呂敷包みの中に一式あるでね』と準備していた中の寝巻きを発見。パジャマより寝巻きがラクチンかもしれないと、ふと、思ったのでした。何せくるむだけ。ベッドに拡げておいて、その上にオシメを敷き、体をよこたえれば、まあまあ体を包むことが出来ます。が、問題発生。朝、起床時に脱がせる時、いっぺんに裸にならないと着替えられないのです。これから冬に向って、これでは寒い。
それで、ふと、これは上下に切ってパジャマの長所と合体させたらどうかと閃いたのです。すぐチョキチョキジャキジャキ真っ二つにしました。OK。上は袂はもう要らないので切って筒袖にし、袖の下も脇も切り開いたままにしたら、「エイッエイッ」「ソレー」「ハイハイハーイ」なんて掛け声で体を寝巻きに押し込むようなことは要らんのじゃない?
で、そのようなのを作ってみた!!! それで、今度は母の体のサイズと体の動き具合にあわせて、マジックテープでくっつけるか、紐で縛る仕掛けにする予定です。 母は朝まで身動き一つしないで寝ている人なので、ファスナーやホックやボタンはたぶん要らないでしょう。
つくづく衣類というものは、個人的なものだと思ったのでした。「個」という中には民族や国という意味も含まれます。本人の体格、好み、人格、習慣、癖、生活条件、ひょっとしたら人生観、世界観も含めて、本人の良し(好し)とする衣類があるのだと思ったのでした。「早く早く」「もっときちんと」と、今尚、還暦をすぎた娘に一日中言い続ける人の、「寝巻き」は、それなりのものがいいのです。とりもなおさず、付き合う人間がラクチンになるべきなのだという事が言いたかったのであーーーーる。


