旧友の水墨画の会の展覧会に出かけました。「没骨法」(もっこつほう)のことを「ぼっこつほうって何?」と聞くほどの門外漢です。輪郭線を引かずに、面で形をつくっていく技法で、対するは鉤勒法(こうろくほう)。輪郭をしっかり捉えて形を現します。水墨画は消しゴムがありません。書き直そうとすればするほど喘ぐことになりそうで、大作になればなるほど凄まじい気迫が要ることは、私でも容易に理解できます。知らないうちに大きな賞もとり頑張っている友人に拍手。友人は人間の絵が描きたいみたい。他に世界遺産のような海外旅行での別世界をいつも描いている知人の作品もあり、なかなか楽しいひとときでした。
そうか。戦争も水墨画みたい。一度筆を引いたら、もう白い色は戻らない。上に筆を重ねても、塗りつぶすことはできない。時間差の滲みは永遠です。人生もおんなじ。私は何度「あーあ、今から中学校に入りなおしたい」とか「あーあ、○○をやりなおしたい」と、思ったことでしょう。できないんだな、これが。私は筆。『もうちょっとでいいから背を高く整形手術をしたい』等と思っても人生は叶えてくれない。私の筆にどんな水を含ませるかという事だけが自分でできること。何だか女子レスリングの浜口パパの「気合だー」みたい。
帰りに車道の大塚屋でレースのカーテン地を買いました。150p幅で2.03mを4枚、2.39mを6枚注文し、帰宅して早速作ろうと思ったら、これが全て5p程長かったり、長さが違うのがあったりで、調整に手間取ってしまいました。服地だったら、多めにあったら『うっしっし』なのに…。やっぱり気合を入れないと明日中には出来ません。20年ぶら下がっていた、母達が業者に頼んで作ったレースのカーテンは、もう手をふれただけでビリッと穴の開くゴミと化しています。私は自分で作るんじゃ。
そんな訳で、オバマ大統領の初来日のニュースは横目。核のない時代は私達が生きている間には実現しないかもしれないなんて、寂しい。これも、一度作ってしまったら消せない。大統領が来年広島・長崎を訪問する可能性が出てきたけど、没骨法でも鉤勒法でもいいからしっかり核廃絶の道を描いてほしい。市民はその機運を潰さないで育てあげていきたい。大統領や首相たちだけでは出来ることでないもんね。お任せで立っているだけだと、我が家のドロドロビリリのカーテンに成り果てる。


